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日々徒然

右傾化は悪いことなのか?

アメリカの排外主義的な勢力や、日本の右翼を「反知性的」と左翼は言うのだけれど、反知性主義という言葉はそもそも、「知性主義(intellectualism)」の反意語です。

この(intellectualism)という言葉は、「インテリが机上の空論をやっているという」悪い意味で使われるそうです。

つまり、インテリの言ってることなんて、空想に過ぎないという皮肉・揶揄したことばでありまして、

反知性主義というのは「もう少し現実的に、プラグマティックに議論しようぜ」という趣旨なのです。

字面だけみて、「反知性主義」=「バカ」という意味で使ってる人は根本的に間違っているのです。

反知性主義は本来良い意味でつかわれる言葉なんです。

 

日本のヘイトスピーチはアレルギー反応

僕は日本のヘイトスピーチや排外主義もグローバリズムに対するある種の悲鳴のように見えます。

グローバル化が進むと、労働者は底辺への競争(Race to the bottom)を余儀なくされる。

例えば、移民受け入れは良いことのように思えますが、日本が移民を受け入れるとどうなるでしょう?

移民とは低賃金で働く外国人労働者が日本の労働市場に参入するという意味ですから、同じ仕事をしている日本人の賃金は低下は避けられません。

経営者からしたら、能力が同じなら、人件費が安いほうを選びますからね。

企業の経営陣には非常に親和性が高いといえます。

安い労働力を仕入れられ、賃金の上昇を抑えられますから。

つまり、外国人労働者と相対的に比較され、日本人の賃金が上がらなくなるのです。

僕は外国人への排斥的な運動は、この賃金の上昇を妨げる原因となる移民を拒否するアレルギー的な反応だと考えます。だって、当事者なら当然抵抗するでしょう。

ヘイトスピーチを肯定しませんが、ただ「排外主義的だ」と非難するのはあまりにも表面的だと考えます。

 

若者ほど安倍晋三支持

上記のように、ナショナリズムが高揚するのは当然だと考えているのですが、日本で救えないのは若者ほど安倍晋三支持率が高いことです。

安倍晋三は保守的であると同時に、グローバリストという矛盾的な存在だと気づいていないのです。

移民政策、構造改革グローバル化は日本人労働者の立場を困窮化させます。

新自由主義的な自民党はこの動きを加速させようとしています。

これから、労働していかなくてはならない、若い世代ほど、安倍支持が多いのは致命的で、矛盾的にも見えます。

なぜなら、安倍晋三が進めている移民政策は、上記の通り、構造的に日本人労働者を苦しめます。

安倍さんは韓国や中国への強硬的な姿勢は「保守的」にうつり、外国勢力に対抗できる政治家だと表面だけ見て勘違いしてしまっている。

しかし、実際は過激なグローバリストでもあり、国を開こうなどと時代に逆行していて、純粋な保守政治家ではありません。

僕は日本のこの傾向はこのまま加速していくだろうと考えています。

年齢層が低いほど保守的(反中、反韓国、と同時にグローバリスティックという矛盾)であり、その矛盾した構造に気づいていないように思えます。

そして、そうした間違った右よりな人々の全体に占める割合がこれからどんどん増えてくる。

なぜなら、リベラル的な団塊の世代はこれから舞台から退場していきますから。

若い世代がそのまま上に上がれば、日本の悪い意味での右傾化が止まらなくなる。